もくじ
バンコクと日本の歯医者さんの違い
ネットで検索しますと「タイの歯医者はヤバイ」「抜歯しなくてもいい歯を抜かれた」なんて記事がある傍らで、「タイの歯医者は日本よりもレベルが高い」、「すごく丁寧にやってくれる」というように情報が錯綜しています。
これは残念ながらしょうがないことで、日本の歯医者さん、タイの歯医者さんともにレベルはバラバラで運によるところが大きいです。
てばおさんは、バンコクで医療関係の仕事についておりますので歯医者さんの情報もたくさんはいってくるので漠然とまとめてみますと、
評判の良い日本の歯医者 > 評判の良いタイの歯医者 > 評判の悪い日本の歯医者 = 評判の悪いタイの歯医者
と言う感じになります。
これを踏まえてタイの歯医者さんの特徴をまとめてみましょう。
タイは保険適用外なので日本よりも自由な治療ができる
日本の歯医者さんは基本的に保険適用ですが、タイで外国人が行くような歯医者さんでは保険適用はまれです。そのためお値段は高くなりますが、診療時間の制限がなく日本よりも丁寧にやってくれる印象があります。
「根管治療に2時間近くかけてやってくれて日本通う回数が少なくて良い!」なんていう話はその最たるもので、日本で保険適用内で患者さんを治療しようとすると一人に長い時間はかけれられないのでやりたくてもできないんですね。
このあたりでタイの歯医者さんに良い印象をもつ人が多いのかと思います。
専門分野がはっきりと分かれている
タイの歯医者さんは神経専門、抜歯専門、入れ歯専門のように完全分業制です。そのため日本の先生よりも技術力の部分で信頼ができると紹介されることが多いです。
ただし複数の先生を横断して治療が必要な場合はスケジュールの調整が難しく、スムーズに予約ができないこともあります。
また、技術面はタイがすぐれているという話に関しては懐疑的で、日本の歯科医師数は2018年の時点で10万人以上居ますが、タイは4000人しかいません。
医師の母数が圧倒的に違うため、本当に優秀な歯科医師はやはり日本のほうが多いかと思います。
医師の意見が強い
タイの歯医者さんはセカンドオピニオンをとられるという発想があまりありません。口コミなどの世論は日本ほど気にしません。
そのため、結構強引な治療を提案する医師が多いです。
例えば根管治療をおこなっても解決しない場合、日本のまともな歯医者さんでしたら次の手段として歯肉にメスを入れる外科的手法の選択肢を提案され、他院への紹介状などもでますが、タイの歯医者さんはそもそも母数が少なく得意分野も似たりよったりで他院への紹介という話はあまりありません。
そのため、「抜歯しかありません」からの「インプラントを紹介」という流れは多くあります。また、患者も医師も「抜歯」という方法に抵抗がない傾向があります。
タイの歯医者さんのお値段
こちらはトンローのサミティベート病院
バンコクで歯医者さんに行くとなると気になるのがそのお値段。
日本の健康保険を払っている方でしたら、タイの歯医者さんで治療を受ける場合、日本のルールで保険適用内の治療でしたらタイの歯医者さん受けた治療は、帰国後に日本の健康保険の適用分の治療費が返還されますし、タイで働いている方でしたらタイの保険が適用できます。
ただし、我々日本人が望むレベルをタイの保険で適用となるとかなりハードル高いです。
保険が適用される施術内容も、虫歯治療、抜歯、クリーニング、詰め物程度でして、もちろんセラミックや精密根管治療、神経治療などは保険適用外で、レベルの高い治療を受けたいのならばお金を出して保険のきかない実費で総合病院か個人の歯医者さんへ行って治療するしか無いというのが実情です。
タイ人の間でも歯科治療は高額だという認識はあり、これでもかというくらいに歯を磨くタイ人も結構多いのです。
ちなみにバンコクに足掛け10年以上通っているてばこさんの感覚では、高い順番にだいたい分けてみますと・・・
レベルが高くて値段が高いバンコク有名病院の歯医者さん
レベル高くて設備は普通、日本語が通じる歯医者さん
タイローカルの歯医者さん
オンヌットのLotus Onnut Dental Clinic テスコの2階でローカルに人気
オンヌットのBangkok Dental Care ローカルに人気
オンヌットのBeyond Smile Dental Clinic
ホイクワンのThe Ivory Dental Clinic
こちらは英語がなんとか通じてそこそこ清潔
日本語が通じる歯医者さん一覧
プロンポン 富士JDC歯科
プロンポン 恵歯会デンタルクリニック
トンロー えがお歯科トンローデンタルクリニック
オンヌット Dental Hospital
プロンポン北 Pacific Dentalcare
バンコクの歯医者さんが高い理由
外国人向けの歯医者さんはとっても清潔
バンコクで歯科治療を受けた日本人がみんな口を揃えて言うのは、
「バンコクの歯医者って高いっ!」です。
そうなんですよね、物価に対して非常に歯科治療は高く設定されており、現地の人たちの間でも歯科治療は高いという認識があります。
しかし実はこれ、バンコクが高いわけではなく、世界的に見ると日本の治療費が異常に安すぎるということがあるんです。
世界の歯医者さんの治療費を比較してみますと・・・
こちらのページからお借りしております
上の表を見てみますと、多くの項目で日本の治療費が最安値となっています。
レジン充填やアマルガム充填なんて歯医者さんまったく儲かりません。日本の歯医者さんは本当に儲かってないんです。
まあ国民にとっては虫歯になっても簡単に治療できるとても良い環境なのですが、そのために口腔や虫歯予防に関する知識(デンタルIQ)が日本人は世界的に見るとあまり高くないと言われています。
なので日本人は虫歯が多く、海外で歯医者に行った時にそのお値段にのたうち回るわけなのです。
決してバンコクが飛び抜けて高いわけではございませんよ。
保険治療と自費治療の違い
日本の歯医者さんって、虫歯一つ直すのにも何回も通って結構手間がかかりますよね。
1回の治療が安いから、数を稼いで歯医者さんが少しでも利益を得るためになって言われたりもしますが、実のところ保険治療を適用させるための縛りがとっても多いことが原因の一つだったりします。
例えば、歯医者さんの施術としてポピュラーな歯石取りなんかは、保険を適応させるためには患者さんの口の中を6ブロックに仕切って、一回の来院でそのうち3ブロックしかやってはいけないことになっています。
これを一度に全部やるなら自費治療ってことですね。(まあその部分は上手く保険適用内でやってくれている歯医者さんも多いですし、なんだかんだで国も大目に見ていますが)
あとてばこさんの例ですと、以前、奥歯にジルコニアというセラミックみたいな物をかぶせていたのですが、これが模造ダイヤモンドといわれるくらいの強度で、日本でこのかぶせた歯が痛くなった時に歯医者さんで診てもらおうと思ったのですが、このジルコニアを割るのは厳しくて、他所でやってほしいと言われたことがあります。
保険適用はすべての人に平等に治療を受けてもらうことを前提に考えられていますから、一人の患者に長い時間をかけるわけにはいかないんです。
で、てばこさんは結局タイでジルコニアを割ったのですが、なんと割るだけで50分もかかってしまい、これはたしかに時間の縛りなどある日本の保険治療では無理だなと悟ったのでありました。
ちなみにこの時は3000バーツ(11000円)かかってしまいましたが、まあ歯医者さんと歯科助手さん3人がかりでトータル80分くらいかかったんで妥当なところなのではないかと思います。
またこれはご存知の方も多いですが、保険治療ではセラミックやホワイトニング、歯科矯正などは適応外です。基本的に審美に関するものはほぼアウトですね。もしこれを保険OKにいしたら莫大な医療費がかかってしまいますからね。
どうしても綺麗にハイレベルな治療を受けたければ全部自腹でやりなさいってことでございますよ。
実際にバンコクの歯医者さんにいってみました
トンローのポンサク歯科(PORNSAK DENTAL CLINIC)
こちらはトンローソイ49にある日本人エリア
この一角にポンサク歯科さんがあります
昔からある歯医者さんでございます。
てばこさんが訪れたのは昔から日本人の駐在員のご家族に人気のあるポンサク歯科さん。個人経営の歯医者さんで、受付の女性と在籍の先生の殆どの方が日本語を話せます。かといって日本人の患者さんだけでなくタイ人の患者さんも多くいらっしゃる歯医者さんです・
タイの個人経営の歯医者さんの特徴としては、値段は歯医者さんによって結構な差があること。あと虫歯治療と神経と入れ歯などは明確にカテゴリーが分けられており、すべて専門分野の先生で担当が分かれます。
なので一回目は院長先生に診てもらって、二回目は神経の先生に見てもらって・・なんて感じになりますが、予約を先生の都合に合わせるのが面倒なぶん、専門家に見てもらえるのは結構心強かったりします。
こちらが歯科治療内容とお値段
今回のてばこさん。奥歯が痛んだので初日にまず原因を診てもらいますと、昔別の歯医者さんで治療した部分にバイキンが入って傷んでいるとのこと。
なので、1回目に詰め物をとって、2回目に根管治療をして、3回目にセラミックでかぶせるという3回の治療でトータル33000~34000バーツ(約13万円)というお見積り。ぎゃーーーー!
しかしポンサク歯科さん。2回目の根管治療で専門の先生に見てもらった所・・
「歯の根っこの奥深くまで菌がはいっちゃってて、抜歯しかないわ」
ええーーーーー!
さすがに永久歯を抜くのはとっても抵抗があるてばこさん。ここで一旦治療を停止。
日本で歯科医の友人に連絡をとり方法が無いかを聞いてみた所、なんでも日本では精密根管治療というものがあるらしく、それを試す決意をしました。
というわけで、実はてばこさん。ポンサク歯科さんは途中で離脱したのでありました、どうもスミマセン。
しかし2回受けてみて感想を言わせていただきますと、ポンサク先生は穏やかな感じで治療はとっても丁寧。ジルコニアの奥歯を50分かけて割ってくれた女性の先生は説明も丁寧で治療もお上手。
2回目の治療では神経の専門家の先生が見てくれましたが、日本語は話せないものの、こちらの先生も1時間もかけて治療してくれてしかも丁寧。
間に受付の方が通訳に入ってくれたので特に問題もなく。うーん、ポンサク歯科結構良いぞ。(特に初めて行く人はポンサク先生に診てもらうととても安心できると思う)
ちなみに2回目を終えてかかった治療費は想定よりも安く4000バーツほど(15000円)でした。
プロンポンのゆたか歯科
こちらはBTSプロンポン駅から3分のゆたか歯科です。
日本人の通訳さんが常駐していて、駐在さんに人気みたいですね。以前仮歯が取れた時にお世話になったのですが、ちょっと気になったのが仮歯を作る時に、型を取らずにその場で削りながら作ってくれまして精度が大丈夫かなあ・・・と。
で、日本円で色々込みで16000円だったんですね。それが3週間ほどで取れてしまいましてうむむ・・・。
あとスケーリングは1500バーツでやってもらいましたが、これは丁寧でございました。
安くて丁寧 Healthy Smile Dental Clinic
こちらはトンロー駅から徒歩2分のローカル歯医者さんです。日本語は通じませんが、英語はいけます。
このクリニックは実はてばこさんが現在常駐している歯医者さんでして、なにがいいかって安いのに丁寧なんですよね。
ローカルなので最新機材はなく店内も全然おしゃれではないですが、スタッフさんも感じいいですし、なによりレジ横に料金表があってしっかり明朗会計なんです。
例えばさきほどの仮歯は初日に歯型をとって2日に完成で精度がちゃんとしておりまして、それでぴったり1000バーツという良心価格。もちろん検査料とか変な名目はいっていません。
後日スケーリングもしてもらったのですが、こちらも1000バーツぴったりでトンロー界隈ではかなり安い方でございました。
海外生活の虫歯対策にはジェットウォッシャーがおすすめ
海外発送OKです
突然ですが、もし海外生活が長くなって気軽に歯医者さんへ行けない環境に住まわれるようでしたらジェットウォッシャーは超おすすめです。これは水の勢いで歯と歯の隙間の汚れを飛ばしてくれるものなのですが、虫歯と歯槽膿漏を防いでくれる超優れものです。
LAZADAで色々な種類が販売されていますが、残念ながら耐久性が無かったり感電の報告もありますので、やはりおすすめはPanasonicのドルツです。
タイからだとAmazon+アキタシッピングなどからの取り寄せになりますが、歯磨きの前にこれを使うと汚れだけでなく歯肉に適度な刺激で血行が良くなり、歯ブラシが届かない部分まで水が届くので口臭予防にもなります。
ちょっとお高いですが、タイで歯医者にかかるくらいならこれを家族で1台買えば(先端のノズルは付け替えできます)恐らく元は取れるかと思いますよ。
帰国後は日本で保険請求を忘れずに
日本の健康保険などに加入していましたら、治療日から2年以内でしたら、全国健康保険協会に申請すればお金が戻ってきます。
ただしもちろん日本の保険の治療適用内に限ります。歯医者さんだったらセラミックなどの審美に関する治療とかは保険適用外ですね。
申請に関しては全国健康保険協会のHPを見てもらえれば分かると思いますが、結構用意する書類が多くて面倒で、特にお医者さんしかかけない内容の書類もありますので、事前にしっかり目を通しておいてくださいね。
ちなみに今回のポンサク歯科さんは、日本で保険使うって言えば全部書類は書いてくれますよ。
ただし、最終日に書類をまとめて作ってもらうのではなく、その都度書類を制作してもらわないといけないので気をつけてくださいね。(毎回言わないと駄目)
こちらは情報強者の間で練り歯磨き最強と言われるアセスです。知覚過敏や歯周病は1本使い終わる頃にはかなり改善されます(てばこ実証済み)
人気の歯石取りのお値段は?
こちらはオンヌットのテスコの二階の歯医者さん
店内は緊張がゆるむ可愛いデザイン
虫歯になるととても高い値段を取られるタイの歯医者さんですが、そのために予防の歯石取り(スケーリング)は日頃から絶対に行っておいたほうが良いです。
そこでスケーリングに行くならてばこさんがおすすめするのは、現地ローカルに人気で英語が通じる先生と受付、そして立地が便利でそこまで高くないオンヌットのロータス2階にある、Lotus Onnut Dental Clinic がおすすめです。予約はしなくてもいけますが、土日は混んでますので予約したほうがよいです。
こちらのスケーリングは800バーツがスタートで、歯の汚れで値段が加算されますが、だいたい1100バーツ(3500円)くらいで収まります。
保険適用の日本に比べますと高いですが、バンコクで高いお店だとスケーリングで2500バーツ(8200円)とかあるのでだいぶ良心的なほうです。
逆にドンムアン空港よりも北の郊外までいくと、500バーツなんてところや、日本で作ると10万円は超えるジルコニアクラウンが10000バーツ(35000円)なんてところもまだありますので、バンコクでの歯医者さん選びは奥が深いのです。
バンコクの歯医者さんのお値段 まとめ
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