FXの話

【FX③】勝つために必要なことは「正しく負けること」

FXのチャート
てばお
てばお
おっ!三尊出現。ここでショートっと!
てばお
てばお
あっ、ユロルレンジ抜けましたね。ロングっと!

てばお
てばお
おっ、そろそろ指標の時間ですね。最近は景気も悪いし逆指値入れてショート入れときますかね。・・カチカチ。
てばこ
てばこ
・・・あんた、この10分の間に何回エントリーしてんのよ?
てばお
てばお
いや~、姉さん。今日はチャンスが多くて3個エントリー中ですっ。忙しいです~!
てばこ
てばこ
・・・
てばお
てばお
あっ!指標で予想とは逆にっ!あっ!三尊否定されたっ!あっ!ブレイクだましだった!あっあっ・・・
てばお
てばお
な・・ぜ・・・
てばこ
てばこ
そりゃあそうよ・・・

FXは資産を増やすのではなく減らさない戦い

FXで初心者の方が陥りやすい過ちは、まず手法にフォーカスをしてエントリーを行っていくことです。色々な本でたくさんの手法が紹介されており、多くの初心者が自分にあった手法を探します。探しまくります。探して探して探しまくってそして退場していきます。

インジケーターも色々な組み合わせを試してひたすら泥沼にハマっている人もよく見かけます。逆に勝っている人というのは資金管理だったり、ルールを徹底できるメンタルだったりシンプルな部分がしっかりできていたりします。

「手法」というのはゲームなんかに例えると攻撃のための「武器」ですよね。メンタルや資金管理は「防具」といったところでしょうか。そしてたちの悪いことに、世の中に多く出回っているほとんどの情報が「武器」のことばかりで、守るための「防具」に関する情報はあまり落ちていません。

なぜかと言いますと、防具は地味なんです。そしてバリエーションがそんなに無いんです。いや、できますよ。心理学やら統計学やら福利や税金の話を持ち出して厚みを出すことは。実際にそういった本もあります。しかし非常に人気がありません。

結局大事なことは「無理なロットでやらない」とか「ルールを曲げない」とかシンプルな物ですし、初心者の方も「はいはい。わかってますよ。そんなことより勝てる方法が知りたいです」ということになってしまいますからね。

そんな需要に答えるとやっぱり世の中は「武器」に関する情報が多くなってしまうのも仕方がありませんね。この後書いていく事もなんだかんだで武器の話が中心です。ただし、防具の話と密接に繋がっているお話です。

 

インジケーターなどの武器は数より熟練度

MT4などのチャートソフトを使っている場合、インジケーターなど武器の熟練度はとても大事です。

しかし初心者の方は慣れていない武器を片っ端から使おうとします。そして試しまくりますので自然とエントリーが多くなってしまいます。

まあ始めの頃はいいんですよ。目の前に無料の選べる武器がたくさんあるんですもの。色々なインジや手法に触れて浅く広く知識を得ることは悪いことではありません。

しかし、たくさんの武器をぶんぶん振り回しながら、この武器とこの武器を組み合わせたら最強なんじゃないかって勘違いしてしまうところあたりからが失敗の始まりです。

武器の熟練度っていうのは実はみなさんが思っているよりもなかなか上がりません。1つの手法に付き、複数通貨で半年分以上の期間は検証をひたすらやらないと見えてこないものがたくさんあります。勝っている人の動画を見たり説明をうけただけでは使用方法がわかるだけで熟練度とは別の話です。

そして検証をやった後、少し熟練度が上がってきたら、小ロット実戦でトライアンドエラーを繰り返して経験値を得てさらに少しずつ熟練レベルを上げていきます。

この時、たくさん武器があると当然経験値はそれぞれに割り振られてしまうのでなかなか一つ一つの熟練度が上がりません。なんというかイメージで見せますと・・・

 

ブリーチ 山爺の卍解

ブリーチの山爺。コレが一つの武器に注力して熟練度を上げたイメージ

 

ノイトラ・ジルガ

こちらノイトラさん。FXで負けてる方のイメージ

どうでしょうかね?山爺かっこいい。勝ってる感でてますし、実際に儲けている人っていうのは、こういうシンプルで内に秘めたるなにかがあるスタイルが多いです。ノイトラさんはなんかもう絶対に負ける感ありますよね。

しかし負けているほとんどの方がこのノイトラさんのような感じで戦っています。ひたすらインジやら手法やらの武器をぶん回してエントリーしまくっています。

では初心者が山爺のようなスタイルになるためにはどうすればよいか?

それは「捨てる」ことです。

 

なぜ武器を捨ててシンプルにしなければ行けないのか?

武器がたくさんあることの弊害は、チャート上で色々な武器の判断が交差して、正しい負け方ができないことです。

移動平均線が上値を抑えていてボリバン開いてレンジをブレイクしたから下に行きそうだけどRSIは売られ過ぎで上方向を示唆している。

こんな複雑な環境では勝っても負けてもなにが原因でそうなったのか後から検証してもわかりません。これでは何年やっても正しいデーターは得られないんです。

上記に加えてさらにFXを複雑にしているのが、参加者が変わる「時間帯」、ニュースや経済指標による「ファンダメンタルズ」、手数料や高ロットで取引した場合の「メンタル崩壊」など色々な要因が混ざって勝敗の結果がでます。

ですのでせめて自分でコントロールできる武器の数や取引環境くらいはシンプルにしないとなにが原因で負けたのか正しい勝敗のデーターが得られず、いつまでたっても優位性のある取引手法を確立することができません。

FXは資産を増やすのではなく減らさない戦いです。結局上か下かの話なんで、それならよくわからないところに突っ込んでいくよりも自分が得意なところだけに絞って、負けるということを減らせば自然とトータルでは勝てるようになるんです。

ではそのために、てばこさんが考える「正しい負け方」をするための、初心者が捨てるべきものをあげていきます。

 

1,指標発表や仲値、ロンドンフィックス前後でのトレード

具体的に、仲値は午前9時55分前後、ロンドンフィックスは午前0時(夏時間)、毎日の指標は羊飼いさんのサイトなどをみれば時間が書いてあります。この時間はテクニカルとはまったく関係のない動きを見せ、検証データーとしては使えませんので捨てます。

 

2,ニュースなどのファンダメンタルズ

ファンダメンタルズを完全に読み切れる人は残念ながらいません。インサイダー情報なら別ですが、どれだけそれっぽいことを書いても基本的に予測は予測でしかありません。

長期トレードの場合は考慮しなければ行けないと思いますが、ほとんどの人がスキャ~スイング取引だと思いますので捨てるべき項目です。

 

3,メンタルに影響を及ぼす高ロット取引

損をすると生活に影響がでるロットではやるべきではありません。ビビって損切りや利益確定が早くなりすぎて取引ルールがブレるからです。正しい検証結果に影響がでますのでやめましょう。

 

4,逆張り

逆張りは基本的にレンジ内でのトレードや、天底での反発を狙う取引がメインになります。ですので想定していたラインを抜けたら躊躇のない素早い損切りが必要になりますので熟練度が上がるまでは捨てましょう。

てばこさんは順張り逆張りどちらもやりますが、逆張りのエントリールールと損切りルールは順張りよりも一段階厳しくしています。

 

5,インジケーターはトレンド系1~2個で十分

逆張りを捨てて順張りをメインとするとボリンジャーバンドと移動平均線くらいでしょうか。使いやすければなんでも構いません。ただし多すぎるのだけはダメです。

てばこさんはスキャルピングではBB(ボリバン)と移動平均を表示させていますが、長めの期間で取引をするときなどはインジケーターはまったく見ません。

 

6,レンジでの取引

レンジというのはウリとカイが拮抗していて上位足をみれば大まかな流れはわかるものの、実際にどっちに行くかは決着がつくまでは誰にもわかりません。熟練度が上がるまではレンジがはじまったらエントリーするのはやめましょう。

 

7,ボラティリティが無い時のトレード

ボラティリティはATRというインジで測ることができます。足の長さごとに適正なATRは変わりますが、例えばローソク1分足ですと目安ATR13以下で取引しても動きも少なくスプレッド分を稼ぐのも大変ですから捨てましょう。(ATRが低いとスプレッド分稼ぐのが大変だという話は実際にトレードをやっているうちに理解できますのでご安心を。逆にここで書いて文字に起こすとこんがらがるところなのでスルーします)

 

はい。まずこの辺りを捨てて取引をシンプルにして、検証の結果をなるべく正確にだせるようにします。そうするとどういう時にエントリーをすると負けるかがはっきり見えてきます。つまり「やってはいけない場所」がはっきりわかってきます。

FXで勝てない人は「エントリーする場所」探しに必死なんですが、自分の不得意な取引環境が理解できていないと、いつの間にかやってはいけない場所に踏み込んでエントリーしている事が多々あります。これは捨て身で敵陣に突っ込んで資産を減らしながら資産を増やそうとしてるってことです。

これでは身が持ちませんのでとにかくやってはいけない場所に入り込まないように守備を固め、その中でローソク足を中心に、ブレイクアウト手法だったり、押し目買いの手法だったり自分に合いそうなものを絞ってひたすらその手法の検証をします。

ちなみに手法はなんでもいいです。ある程度検証をすすめて熟練度を上げつつ、色々と期間を変えながら平均値をとっていくと、てばこさんの場合、大体勝率63~70%あたりに収まります。

え?意外と低いって?いえいえ、70%超えたらもう絶好調!8割なんて神の領域ですよ。この勝率に損小利大と組み合わせて利益をつくりますのでこれだけあれば十分なんです。これは別の機会にお話しますね。

ちなみにてばこさんが試してみた世の中に出回っている手法で、あらゆる期間を通して単体で勝率8割以上なんて手法は存在しないですね。短い一部の期間に絞ってよいならたくさんありますけれども。

だけど巷では「勝率9割!」といった宣伝文句をうたわないと投資教室や手法を売っている人のところにお客さんが集まらないんですよ。でも勝率9割を叩き出すなんてごくごく一部の期間のみです。さらにコツコツドカンと食らう取引の可能性大です。極端な話、損切りしなければ勝率100%ですし。

でもてばこさんみたいに「勝率63%!」なんて言っても誰も来ません。100歩譲って「2018年下四半期勝率9割!」と「10年間平均勝率63%!」と書いてもやっぱり勝率9割にいっちゃいますよね。この手のインチキ勧誘がなくならないのは残念ながら飛びつく方にも原因がありますね。

まあ勝率に「損益率」(平均利益(pips) ÷ 平均損失(pips)とリスクにさらす資金量を加味してみて、ようやくその取引が有効かどうかがわかるのですが、それもまた別の機会に書きます。

 

捨てると見えてくる。純粋な検証結果の本当の力!

FX ピュアな検証結果

自分の使う武器を絞り、しぼりにしぼった負けない所でトレードや検証を繰り返すと、あとに残るのはキレイな結果です。ピュアならばピュアなほど良いです。

例えば先程あげた全ての捨てるべき場所の条件を満たし、さらに通貨を一つに絞り、さらにロングだけに絞り、さらにトレンドラインや複数時間足の条件を加味して条件を厳しくしまくったあとに残った検証結果。もちろん検証期間は長いほど良いです。

この自分で勝ち取った混じりっ気の少ないピュアな検証結果。

これってどう思いますか?

FXの世界にあふれるどんな情報よりも信頼できませんか?

いえいえ、もちろん良いんですよ。めちゃめちゃ有名な人が自分の検証結果とは正反対のことを言ってちょっと弱気になったとしても。

もしこの自分ではじき出した検証結果が無かったら、多分有名な人の言うことを鵜呑みにしてそれを軸に取引しますよね?しかしこの検証結果があることによって少し懐疑的に考えることができる。それが次の検証のきっかけになり成長を促すんです。そしてなによりもブレなくなる。

自分でだしたピュアな検証結果を持っている人はエントリーに絶対の自信を持って入ります。だから損切りは速く利益確定は伸ばすことができる。つまり先程書いた損益率の部分がコントロールができるようになるんです。

この自信というかつまりメンタルですが、初心者が思うメンタルの強さとは、負けて凹んでもすぐに復活できるとかそういう捉え方をする方が多いですが、上級者の思うメンタルというのは高ロットでもビビらず取引ルールを遵守でき、自分が本来持っている損益率に毎月近づけることができる強靭な精神力のことです。

色々なものを捨てて削って手に入れたピュアな検証結果。これが手法やメンタルや自信に繋がり、自分の資産を守ってくれる唯一の防具なのです。

「正しく負けること」がFXや投資で勝つために非常に大切だということが今回の記事でみなさんに伝われば幸いです。

FX chart
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【FX③】勝つために必要なことは「正しく負けること」まとめ

てばこ
てばこ
FXが楽しいって言ってるうちは八流よ
てばお
てばお
は、八流・・。僕、トレードが楽しくてしょうがないです・・
てばこ
てばこ
自分の得意なところだけしかやらないってことは、一日ずっとチャートを見つめていても1回しか入れないなんてことはザラよ
てばお
てばお
そんなに厳しい制約を課すんですね・・
てばこ
てばこ
そうね、制約が厳しければ厳しいほど恐ろしい能力を発揮するわ・・念能力のように・・
てばお
てばお
・・ゴクリ・・
要点まとめ

トレーダーは研究職です。正しいデーターは次の正しいデーターに繋がります。検証の手を抜いちゃダメですよ

FX 勝つための勝率と損益率
【FX④】利益を減らせば勝率は上がる。利益を増やせば勝率は下がる。FXは勝率が高ければ勝てるというゲームではありません。勝率が高くても負けますし、逆に低くても勝てます。特に初心者にありがちなのがコツコツドカンで持っていかれてしまう事です。今回はこれを防ぐ取引方法を説明したいと思います。...
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